歴史小説・時代小説・史伝など

『敦煌』井上靖

敦煌 (新潮文庫)新潮社 1965-06売り上げランキング : 60985Amazonで詳しく見るby G-Tools 2006.1.20 記 毎日芸術大賞受賞作 中国の西域(両漢や唐などの強大な帝国の時に領土になった中国西方地帯)を舞台にした歴史小説。 井上靖はもともと純文学畑の人であ…

『とびきり哀しいスコットランド史』フランク レンウィック

とびきり哀しいスコットランド史 (ちくま文庫)Frank Renwick 筑摩書房 1998-07売り上げランキング : 214416Amazonで詳しく見るby G-Tools フィオナマクラウドを読んでから気になっていたスコットランドについての本がちょうど手に入ったので読んでみた。 ス…

『土地と日本人』司馬遼太郎

土地と日本人 対談集 (中公文庫)中央公論社 1996-10売り上げランキング : 231792Amazonで詳しく見るby G-Tools 対談集 石井紫郎,ぬやまひろし,野坂昭如,高橋裕,松下幸之助 司馬遼太郎の対談集はどれも面白いとは常に口にしてきたことである。 この対談集もそ…

『歴史随談』海音寺潮五郎

歴史随談 (文春文庫)文藝春秋 1996-06売り上げランキング : 420432Amazonで詳しく見るby G-Tools 史伝だと思っていたがどうも違うようだ。 「執念谷の物語」「得意の人・失意の人」「日、西山に傾く」の三冊から編集して構成されたものとのこと。 1章 「執…

『中国古典の言行録』宮城谷昌光

中国古典の言行録 (文春文庫)文藝春秋 1996-10売り上げランキング : 116007Amazonで詳しく見るby G-Tools 故事成語の解説だと思えばしっくりくるか。 中国の古典を元に句を引いて自己啓発的な解説を加えている。 宮城谷らしく扱う漢籍が幅広い。 見たことも…

『沙中の回廊(上下)』宮城谷昌光

沙中の回廊〈上〉 (文春文庫)文藝春秋 2004-12売り上げランキング : 169753Amazonで詳しく見るby G-Tools 士会という春秋時代の晋の兵略家を描いた中編。 新聞連載時にいくらかは読んでいたのだが途中までだったので通して読むのは初めてである。 前に読んだ…

『沈黙の王』宮城谷昌光

沈黙の王 (文春文庫)文藝春秋 1995-12売り上げランキング : 65747Amazonで詳しく見るby G-Tools 短編集 「沈黙の王」 古代中国で初めて文字を創造した商(殷)の高宗武丁の物語。 言葉を話せなかった彼が旅に出て代弁者を得て即位するまでを描いている。 ど…

『太公望(上中下)』宮城谷昌光

太公望〈上〉 (文春文庫)文藝春秋 2001-04売り上げランキング : 13849Amazonで詳しく見るby G-Tools 周建国の功労者、羌公太公望呂牙を主人公に少年期から周建国時までを描いている 太公望は天才軍略家として考えられているが、宮城谷はさらに剣術の達人とし…

『孟嘗君(12345)』宮城谷昌光

孟嘗君(1) (講談社文庫)講談社 1998-09-14売り上げランキング : 26694Amazonで詳しく見るby G-Tools 読んでいないつもりだったが再読だった。 戦国時代の孟嘗君田文とその養父風洪(白圭)の生涯。 孟嘗君が生まれてから物語が始まるので当然のことながら…

『卑弥呼狂乱』安西篤子

卑弥呼狂乱 (光文社文庫)光文社 1991-05売り上げランキング : 729775Amazonで詳しく見る by G-Tools「卑弥呼狂乱」 「死霊の都・怨霊の都」 「袈裟と盛遠」 「消えた野望」 「孤島の薔薇」 「おふく変身」 「名君弧愁」 「雪崩れて春来る」 「戯作三昧」2005…

『青雲はるかに(上下)』宮城谷昌光

青雲はるかに〈上〉 (新潮文庫)新潮社 2007-03売り上げランキング : 194516Amazonで詳しく見るby G-Tools 氾雎という戦国時代後期の秦の宰相の生涯。 若い頃旧主に受けた仇を後年はらすという復讐譚である。 それだけでも充分といえるほど面白い。 無実の罪…

『春秋の名君』宮城谷昌光

春秋の名君 (講談社文庫)講談社 1999-09-06売り上げランキング : 221428Amazonで詳しく見るby G-Tools 春秋の名君について触れているのは始めの1章だけで、その部分は下の史記の風景と同じように良い出来である。 まあ他の本を読んでいると見たような内容が…

『史記の風景』宮城谷昌光

史記の風景 (新潮文庫)新潮社 2000-04売り上げランキング : 126816Amazonで詳しく見るby G-Tools 宮城谷が新聞や雑誌で連載していた記事を纏めたもの。 史記に必ずふれるという縛りをかけて書かれていて、どれもおもしろいものに仕上がっている。 中国という…

『童貞』酒見賢一

童貞 (集英社文庫)集英社 2001-09売り上げランキング : 507984Amazonで詳しく見るby G-Tools 古代中国と思しき邑が舞台。 主人公が何者なのかは最後に明かされるわけだが、本当に「どうでもよいことである」。 大体、夏王朝の禹王が治水工事に一生を捧げたと…

『子産(上下)』宮城谷昌光

子産(上) (講談社文庫)講談社 2003-10-15売り上げランキング : 164780Amazonで詳しく見るby G-Tools 吉川英治文学賞受賞作。 礼というものに初めて言及した子産の物語。 彼の幼少の頃から長じて、亡くなるまでを描いている。 子供時代はほとんど彼の父の子…

『春秋の色』宮城谷昌光

春秋の色 (講談社文庫)講談社 1997-01-13売り上げランキング : 258360Amazonで詳しく見るby G-Tools 雑誌や新聞などに書いたエッセイというか文章をまとめた本。 直木賞を受賞するまでの修業時代のことや日常生活のことなど。 修業時代や古代中国をテーマに…

『歴史の活力』宮城谷昌光

歴史の活力 (文春文庫)文藝春秋 1996-04売り上げランキング : 188325Amazonで詳しく見るby G-Tools 「会社人間上昇学」という単行本を改題して文庫化。 遙かによいタイトルになったと思うのは私だけだろうか。 元の題が示すように良くあるリーダー学の本っぽ…

『華栄の丘』宮城谷昌光

華栄の丘 (文春文庫)文藝春秋 2003-03売り上げランキング : 78878Amazonで詳しく見るby G-Tools 久々の宮城谷作品。 何から書いていいか分からない。 この作品は是非人に勧めたい。 主人公華元、家宰、華仲、文公らの礼の守り様は胸を震わせずにはいられない…

『日本名城伝』海音寺潮五郎

日本名城伝 (文春文庫) (文春文庫)" />文藝春秋 2005-10-07売り上げランキング : 135985Amazonで詳しく見るby G-Tools 「城のようなものにも、個性があるのですよ」 と言う海音寺の史伝。 南は熊本城から北の五稜郭まで12の城についてまつわる話を集めたも…

『周公旦』酒見賢一

周公旦 (文春文庫)文藝春秋 2003-04売り上げランキング : 181686Amazonで詳しく見るby G-Tools 酒見のお家芸といった感じの中国古代もの。 周の始祖の弟で権勢をふるった周公旦の物語。 彼が祭祀を司りその不思議な力を使えるというのが酒見らしいオリジナル…

『八人との対話』司馬遼太郎

八人との対話 (文春文庫)文藝春秋 1996-05売り上げランキング : 319158Amazonで詳しく見るby G-Tools 山本七平、大江健三郎、安岡章太郎、丸谷才一、永井路子、立花隆、西澤潤一、アルフォンス・デーケンという八人それぞれとの対談集。 司馬遼太郎の対談集…

『耶律楚材 (上)草原の夢』 『耶律楚材 (下)無絃の曲』陳舜臣

耶律楚材〈上〉草原の夢 (集英社文庫)集英社 1997-05by G-Tools耶律楚材〈下〉無絃の曲 (集英社文庫)集英社 1997-05by G-Toolsモンゴル帝国のチンギスハーンに仕えた才人耶律楚材の生涯を描いた作品。 彼を初めて知ったのは、とあるゲームである。登場人物の…

『日本歴史を点検する』海音寺潮五郎司馬遼太郎

新装版 日本歴史を点検する (講談社文庫)講談社 2007-12-14売り上げランキング : 306125Amazonで詳しく見るby G-Tools 当代を代表する作家である海音寺潮五郎と司馬遼太郎の対談集。 なんなんだ、この人達は。 というのが読後の第一声。恐るべき幅と深さで対…

『英雄ありて』陳舜臣

英雄ありて (講談社文庫)講談社 1986-04by G-Tools歴史作家である氏が史記、三国志、唐詩、西遊記、水滸伝というテーマで語っている。 けしてつまらない本ではないと思うのだが、司馬遼太郎や海音寺潮五郎と比較すると見劣りがしてしまう。 西遊記や水滸伝な…

『手掘り日本史』司馬遼太郎

手掘り日本史 (集英社文庫)集英社 2007-01売り上げランキング : 465072Amazonで詳しく見るby G-Tools 司馬遼太郎が日本史にどういうアプローチで理解し小説を書くところまで持って行っているかを解説した本。 ということに成っているが、別に小説の書き方に…

『恋に散りぬ』安西篤子

恋に散りぬ (講談社文庫)講談社 1997-09売り上げランキング : 1202662Amazonで詳しく見るby G-Tools江戸期の恋の物語の短編集。 「紅梅」 嫁と姑の対立が鮮やかな知恵で解決する。 姑の昔の恋が鍵となるというのはとても面白い発想だった。 登場人物の主人公…

『武家女夫録』安西篤子

武家女夫録 (講談社文庫)講談社 1993-09売り上げランキング : 1098458Amazonで詳しく見るby G-Tools「夏萩」 大して愛情を注げなかった妻が不義をはたらくのに気付くという話。 主人公の心の揺れが綿密に描かれている。 ラストの持って行き方は秀逸。 思い返…

『ピュタゴラスの旅』酒見賢一

ピュタゴラスの旅 (集英社文庫)集英社 2001-06 by G-Tools , 2010/02/19「そしてすべて目に見えないもの」 タイトルと前振りがうまい。 アイディア自体はそう目新しいものではないのだが、タイトルと前振りによってオリジナリティを出していると言える。 ラ…

『墨攻』酒見賢一

墨攻 (新潮文庫)新潮社 1994-06 by G-Tools , 2010/02/19春秋戦国時代の墨者の物語。 墨者たちというのは当時大きな勢力を持っていたはずなのだが、 史記などにはほとんど取り上げられず、漢代以降ぷっつりと消息が途絶えてしまう。 それを酒見賢一のあふれ…

『後宮小説』酒見賢一

後宮小説 (新潮文庫)新潮社 1993-04 by G-Tools , 2010/02/19第一回ファンタジーノベル大賞受賞作。 中国のような舞台で素乾国の後宮を舞台としたファンタジー。 隅から隅まで酒見賢一の空想が支配している。 なにせ空想の素乾の歴史書を作り上げ、それを元…