『史記の風景』宮城谷昌光

史記の風景 (新潮文庫)
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宮城谷が新聞や雑誌で連載していた記事を纏めたもの。
史記に必ずふれるという縛りをかけて書かれていて、どれもおもしろいものに仕上がっている。
中国という国は途方もなく大きな国、というか地方でいろいろな人がいて巨大なものを作っていたりする。
そこは日本とはくらべものにならない。
もちろん人口の数からくる必然ではあるのだが。
どのエピソードも面白く読めた。
これだけ宮城谷の本を読んでいるのに焼き直しがほとんどないのは素晴らしいことである。
彼の勉強家ぶりはつとに有名だが、それを感じさせる一冊となっている。
彼の専門は中国古代に限定されているので、日本人が興味を抱きやすい日本史にはまだあまり詳しくないんだろうなとなんとなく思った。
この本は一編一編が短くて少しずつ読んでもよい。
その意味でおすすめの本である。

2005.11.29 記