『周公旦』酒見賢一

周公旦 (文春文庫)
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文藝春秋 2003-04
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酒見のお家芸といった感じの中国古代もの。 周の始祖の弟で権勢をふるった周公旦の物語。 彼が祭祀を司りその不思議な力を使えるというのが酒見らしいオリジナルの出し方。 とはいえ、彼にしては意外にもそのようなオリジナルが大きな顔をせず、控えめである。 彼の毒気が強すぎて苦手な人にもってこい、といったらおかしいだろうか。 成王との確執がもう少し強く描かれてもよかった。 ラストの方ももっと書き込めば成王の心変わりがさわやかに感じられただろうに。 ふつうの歴史小説として読め、そこそこおもしろい物語にできあがっていると思う。

2005.10.12 記