『墨攻』酒見賢一
春秋戦国時代の墨者の物語。 墨者たちというのは当時大きな勢力を持っていたはずなのだが、 史記などにはほとんど取り上げられず、漢代以降ぷっつりと消息が途絶えてしまう。 それを酒見賢一のあふれる想像力で見事に描き出した小説である。 この物語は漫画化されており、そちらの方を先に読んでしまったが、いささかもその面白さを損なうことはなかった。 細かい描写ではやはり漫画は小説には及ばない。 ただ漫画の方では話が作り替えられているようで、すこしびっくりしてしまった。 どちらの結末がよいかは好みかもしれない。 個人的には漫画で加筆されたストーリーも捨てがたい。 漫画、小説どちらにせよ一度は読んでほしい本である。
2005.7.15 記
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