『ブルターニュ幻想集』植田祐・次山内淳

ブルターニュ幻想集―フランス民話 (現代教養文庫 (1394))
ブルターニュ幻想集―フランス民話 (現代教養文庫 (1394))
社会思想社 1991-07
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カテル・ゴレ
悪魔の付き添い人
境界石を抱いた男
悪魔のメンヒル
コリガンのドルメン
妖精の三つの贈り物
食事に招かれた死者
夜の洗濯女
息子の死に涙を流しすぎた母親
寒がりやの男
人魚と漁師
黄金のカニ
イスの町(バラード)
イスの町のクリスマス
コモール
ロク島のグロアク
うすのろのペニアク
フランスのブルターニュ地方の民話集。
本来なら全ての作品個々に感想を書くべきだが面倒なのでパス。
どの物語も新鮮で面白かった。
解説でも指摘されていたが、死というものに対して恐怖が薄い事が特徴として挙げられる。
キリスト教的な風情もありながらどこか違う物語群である。
それはドルイド的な空気なのかもしれないし違うかもしれない。
「悪魔のメンヒル」「息子の死に涙を流しすぎた母親」「イスの町のクリスマス」の三作品が特に記憶に残った。
パリの語源なんかも知らなかったので興味深かった。
この教養文庫は他にもフランス民話集を出しているようなので機会があったら読んでみたい。
訳書でもあり、民話なので文章については深くは言及しないことにする。
ただし民話ならではの古くさい言い回し、婉曲表現には見るべきものがあると思う。
こういったフレーズを違和感なく使いこなせれば作品の雰囲気も変わってくるだろう。

2005.11.26 記