『私の文章作法』安岡章太郎
私の文章作法 (文春文庫 (312‐1)) | |
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著者は安岡となっているが、この本の前半は18名の文章家による文章作法がそれぞれ収められていて、 後半は安岡自身による文章論である。 18名は、
中野重治、椎名麟三、富士正晴、瀬戸内晴海、吉行淳之介。野坂昭如、島尾敏雄、小島信夫、佐多稲子、長谷川四郎、木下順二、小野十三郎、秋本松代、小林勝、杉浦明平、武田泰淳、野間宏
というそうそうたる面々。 その内容が、入門的な文章の基本について解説しているわけではなく、 むしろ彼らが自分でどのように文章と接しているか、文章を書くということについて今どんなことで悩んでいるのか、 具体的に気をつけているのはどういうことが、といった文章家の現在進行形を書いているのが特徴である。 そのためこういう本は既に飽きたというような人でも一度は読んでみると新たな発見があるはずである。 自分で文章を書く人なら一度は読んでほしい。 おすすめの本である。 もっともこんな古い本がそう簡単に手にはいるとは思えないが。
2005.10.17 記