『ファンタジーの発想』小原信

ファンタジーの発想―心で読む5つの物語 (新潮選書)ファンタジーの発想―心で読む5つの物語 (新潮選書)

新潮社 1987-03
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倫理学者が「あらゆる世代の人びとに必要な」現代人の倫理の問題を読み解く鍵としてファンタジーに真正面から挑んだ」本。
この本で取り上げられているのは、 『星の王子様』『モモ』『はてしない物語』『銀河鉄道の夜』『ライオンと魔女ナルニア国ものがたり1)』 の五作。 どれも誰もが読んだ名作である。
その物語のあらすじを解説しながら、作品の楽しみ方や倫理学的なアプローチをしていく。 ファンタジー擁護論を専門的に述べている本ではないので悪しからず。 作品をだしに人生観を述べているとか、単に作品の個人的な感想を述べていると見ることもできるだろう。 難しく考えるまでもなく、作品世界が現実世界と似ている以上、また作者が現実世界に生きている以上、 現実世界に生きる我々に全く役立たないことはあり得ないと思うのだが。 読む価値の無い本だとは思わないが、人に薦められるほど面白い本でもなかった。

2005.8.31 記