『鋼馬(ドルー)章伝(1−5)』安彦良和

4199051260鋼馬(ドルー)章伝〈1〉ボナベナの騎士 (徳間デュアル文庫)
安彦 良和
徳間書店 2002-10

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4199051317鋼馬(ドルー)章伝〈2〉ザオの騎士王 (徳間デュアル文庫)
安彦 良和
徳間書店 2002-12

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419905135X鋼馬(ドルー)章伝〈3〉ガンゴトリの疾風 (徳間デュアル文庫)
徳間書店 2003-02

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4199051384鋼馬(ドルー)章伝〈4〉ノルブの光輪 (徳間デュアル文庫)
安彦 良和
徳間書店 2003-04

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4199051422鋼馬(ドルー)章伝〈5〉クルガンの竜 (徳間デュアル文庫)
安彦 良和
徳間書店 2003-06

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機動戦士ガンダムのディレクターで有名な安彦氏が著。 鋼馬という人造の馬に乗る騎士達が活躍するファンタジー
こう言ってはなんだがいささか落胆した。 読み始めの導入あたりで期待できそうだと思いこんだために不当に評価が下がってしまったのかもしれない。
この作者の特徴は巧みな設定。それに尽きる。 鋼馬の設定やその背景の作り、またそれぞれの登場人物の背景や性格付けの妙。 それぞれの国の背景、宗教の背景、などなど参考になる部分はたくさんある。 もちろんそのどれもが作者の幅広い知識の組み合わせに過ぎないと透かし見えても、それを押して蔑するべきではあるまい。 ただし、その後がよくなかった。 主人公は自分の意志でと口にする割には流されてばかりだし、 他の登場人物は自儘なものばかりが目立って生き生きとしてその他は描けているも何も出番が少なすぎである。 人は死にすぎ。直ぐ死ぬやつに名前を付けるのはやめて欲しい。 ストーリーは主人公がはっきりせず流されてばかりなので進むにつれて幻滅する一方である。 大体お約束の展開しかできないのだろうか。 複線を張りすぎて全然消化しきれなかった。 少し評が厳しすぎるかもしれない。 やはり期待しすぎたのかもしれない。 ラストはなかなかよかったと思う。

2005.9.1 記